納棺師の仕事とは?内容や種類、向いている人の特徴などを紹介
納棺師、湯灌師
公開日:2024.05.07
納棺師の仕事は『おくりびと』として映画化されるほど、高い社会的意義を持ちます。ただ、具体的に「どのような仕事なのかわからない」という方も少なくありません。本記事では納棺師の仕事を説明し、仕事の種類や内容、向いている人の特徴などを紹介します。
納棺師の仕事とは
納棺師の仕事には、次のような特徴があります。
●納棺・湯灌専門の会社
●葬儀会社
納棺・湯灌専門の会社に就職した場合、納棺作業のみをおこないます。納棺作業とは故人のお身体をお棺に納める作業のことです。単に、機械的にお棺に納めるだけではありません。「納棺の儀」と呼ばれる儀式に則って、故人の顔や体を綺麗に整え、美しく保つための処置を施します。
葬儀会社に就職した場合、納棺作業だけでなく葬儀全般を執りおこないます。例えば、次のような仕事を担当しなければならないことが多いです。
●葬儀の司会進行
●誘導
●事務作業
このように、納棺師としての仕事以外にも、任されることが多くなります。
納棺・湯灌専門の会社の場合、給料は低いものの、納棺師としての仕事に集中できます。さまざまな知識や経験を身に付け、納棺師としてレベルアップすることができるでしょう。
一方、葬儀会社は納棺作業の専門会社ではないため、納棺師以外の仕事を任せられるケースも少なくありません。ただ、納棺・湯灌専門の会社よりも給料が高い傾向にあります。
・納棺師の仕事は会社によって異なる
・給料や特徴も会社によって異なる
・給料や特徴も会社によって異なる
納棺師の仕事は会社によって異なる
納棺師の仕事は、以下の2つによって異なります。●納棺・湯灌専門の会社
●葬儀会社
納棺・湯灌専門の会社に就職した場合、納棺作業のみをおこないます。納棺作業とは故人のお身体をお棺に納める作業のことです。単に、機械的にお棺に納めるだけではありません。「納棺の儀」と呼ばれる儀式に則って、故人の顔や体を綺麗に整え、美しく保つための処置を施します。
葬儀会社に就職した場合、納棺作業だけでなく葬儀全般を執りおこないます。例えば、次のような仕事を担当しなければならないことが多いです。
●葬儀の司会進行
●誘導
●事務作業
このように、納棺師としての仕事以外にも、任されることが多くなります。
給料や特徴も会社によって異なる
納棺・湯灌専門の会社と葬儀会社は給料や特徴も異なります。給料 | 待遇 | |
納棺・湯灌専門の会社 | 一般的に低い傾向にある | 納棺作業が中心であるため、納棺師としての仕事に集中できる |
葬儀会社 | 一般的に高い傾向にある | 納棺作業に加え、さまざまな仕事を任されることが多い |
納棺・湯灌専門の会社の場合、給料は低いものの、納棺師としての仕事に集中できます。さまざまな知識や経験を身に付け、納棺師としてレベルアップすることができるでしょう。
一方、葬儀会社は納棺作業の専門会社ではないため、納棺師以外の仕事を任せられるケースも少なくありません。ただ、納棺・湯灌専門の会社よりも給料が高い傾向にあります。
納棺師の仕事の種類
ここでは納棺師の仕事にはどのような種類があるのかを説明します。納棺師の仕事は、主に4つに分類されます。
納棺師の給料について詳しくはこちら
湯灌の仕事には地域差があります。おもな湯灌の方法は以下のとおりです。
●専用の浴槽を使って、洗髪を含む全身を洗い清める
●タライの水に沸かしたお湯を注ぎお体を洗い清める
●アルコールを含んだ脱脂綿などでお体を拭き清める
地域によっては、湯灌そのものをおこなっていないところもあります。清潔を保つだけなら、エンゼルケア(病院でおこなう死後の処置)だけで十分であると考える場合もあるからです。
ただ、単なる処置であるエンゼルケアと違って、湯灌(ゆかん)には儀式的な意味も込められています。湯灌は、故人に対して「現世の汚れを洗い清める」「来世に導く」といった願いを込めておこなうのです。
なぜ死化粧を施すかというと、ご家族を亡くしたご遺族に寄り添うためです。生前の姿に近づけることで故人との記憶を思い出し、納得したうえで別れを受け入れられるのです。また、死化粧には「故人の尊厳を守る」という意味も込められています。
死化粧の方法はさまざまです。まず、髪はドライシャンプーし、くしで整えます。次に、クレンジングや乳液で顔を綺麗にし、男性の場合はひげを剃り、女性には薄化粧を施します。
あとは一般的な化粧とあまり変わりません。ファンデーションを塗って、メイク道具で化粧を施します。顔に応じて色味を変えたり、故人の好みに合わせたりして完成させます。
※日本遺体衛生保全協会(IFSA)の認定資格
このように湯灌は儀式的な意味合いが強いものですが、エンバーミングは科学的な観点から衛生保全の処置を施すものです。湯灌に資格はありませんが、エンバーミングには日本遺体衛生保全協会(IFSA)が実施している試験があります。
納棺師のなかにはエンバーミングの資格も取得して、二足のわらじを履いて仕事をする方も少なくありません。
納棺する際は、故人を傷付けないよう細心の注意を払う必要があります。最後に参加者が全員で合掌し、一礼をして終わります。
納棺を行うタイミングは、基本的にお通夜式の前です。お通夜式は故人様のお体を納めたあとにおこなわれます。
・湯灌(ゆかん)する
・死化粧を施す
・エンバーミングを施す
・ご遺体を納棺する
納棺師の給料について気になる方は、下の記事をご覧ください。・死化粧を施す
・エンバーミングを施す
・ご遺体を納棺する
湯灌(ゆかん)する
湯灌(ゆかん)とは、故人の旅立ちを願う儀式のことです。具体的には、故人のお身体を洗い清めます。湯灌の仕事には地域差があります。おもな湯灌の方法は以下のとおりです。
●専用の浴槽を使って、洗髪を含む全身を洗い清める
●タライの水に沸かしたお湯を注ぎお体を洗い清める
●アルコールを含んだ脱脂綿などでお体を拭き清める
地域によっては、湯灌そのものをおこなっていないところもあります。清潔を保つだけなら、エンゼルケア(病院でおこなう死後の処置)だけで十分であると考える場合もあるからです。
ただ、単なる処置であるエンゼルケアと違って、湯灌(ゆかん)には儀式的な意味も込められています。湯灌は、故人に対して「現世の汚れを洗い清める」「来世に導く」といった願いを込めておこなうのです。
死化粧を施す
死化粧とはご遺体に化粧を施すことです。具体的にはご遺体の顔や髪、身だしなみを整えます。なぜ死化粧を施すかというと、ご家族を亡くしたご遺族に寄り添うためです。生前の姿に近づけることで故人との記憶を思い出し、納得したうえで別れを受け入れられるのです。また、死化粧には「故人の尊厳を守る」という意味も込められています。
死化粧の方法はさまざまです。まず、髪はドライシャンプーし、くしで整えます。次に、クレンジングや乳液で顔を綺麗にし、男性の場合はひげを剃り、女性には薄化粧を施します。
あとは一般的な化粧とあまり変わりません。ファンデーションを塗って、メイク道具で化粧を施します。顔に応じて色味を変えたり、故人の好みに合わせたりして完成させます。
エンバーミングを施す
場合によってはエンバーミングを施します。エンバーミングとは、ご遺体を適切な方法に則って消毒殺菌したり防腐・修復したりする技術のことです。
「湯灌と何が違うのだろう」と疑問に感じる方もいるでしょう。どちらもご遺族を綺麗にするという点は変わりません。ただ、湯灌とエンバーミングにはいくつか違いがあります。
仕事内容 | 資格 | |
湯灌 | 儀式的な観点から故人のお身体を洗い清める | なし |
エンバーミング | 科学的な観点から衛生保全の処置を施す | あり |
このように湯灌は儀式的な意味合いが強いものですが、エンバーミングは科学的な観点から衛生保全の処置を施すものです。湯灌に資格はありませんが、エンバーミングには日本遺体衛生保全協会(IFSA)が実施している試験があります。
納棺師のなかにはエンバーミングの資格も取得して、二足のわらじを履いて仕事をする方も少なくありません。
ご遺体を納棺する
最後に、ご遺体を納棺して送り出します。お棺のなかには、故人の愛用品やふだんから身に付けていたものなどの副葬品を納めます。かつてはご遺族や親族が直接納棺していましたが、現在は手を添えるだけなのが主流です。納棺する際は、故人を傷付けないよう細心の注意を払う必要があります。最後に参加者が全員で合掌し、一礼をして終わります。
納棺を行うタイミングは、基本的にお通夜式の前です。お通夜式は故人様のお体を納めたあとにおこなわれます。
納棺師の仕事に向いている人とは
納棺師は人の死に直面するという意味で、ほかの仕事と大きく異なります。大切なのは「自分が納棺師に向いているかどうか」を冷静に見極めることです。
納棺師の仕事に向いている人の特徴は以下の2点です。
なぜ納棺師が求められるのかというと、ご遺族が納得のいく形で故人を送り出したいからです。つまり、ご遺族の気持ちに寄り添えなければ、納棺師の仕事は務まりません。
さらに、葬儀の際、ご遺族は悲しみに包まれています。なかには冷静でいられず、取り乱してしまう方もいるでしょう。このような状況において、納棺師は赤の他人であるにも関わらず、ご遺体に触れることを許されている立場です。自分に求められているものはなにか、どのように振る舞うべきかを常に考えられる人が納棺師に向いています。
例えば、ご遺体を前にして感情がこみ上げてしまったり気分が悪くなったりしてしまっては、納棺の儀が台無しになりかねません。加えて、「人の死に向き合う」という経験を常に繰り返していかなければならないのです。
このような状況に立たされても、しっかりと自分の仕事をこなせる「強い精神力」が求められます。精神力は「責任感」「志」などと言い換えることもできるでしょう。
納棺師の仕事に向いている人の特徴は以下の2点です。
・人の気持ちに寄り添うことができる
・強い精神力を持っている
・強い精神力を持っている
人の気持ちに寄り添うことができる
納棺師は単に、ご遺体を綺麗にしてお棺に納めるだけではありません。それだけだと、単なる「機械的な作業」になってしまいます。なぜ納棺師が求められるのかというと、ご遺族が納得のいく形で故人を送り出したいからです。つまり、ご遺族の気持ちに寄り添えなければ、納棺師の仕事は務まりません。
さらに、葬儀の際、ご遺族は悲しみに包まれています。なかには冷静でいられず、取り乱してしまう方もいるでしょう。このような状況において、納棺師は赤の他人であるにも関わらず、ご遺体に触れることを許されている立場です。自分に求められているものはなにか、どのように振る舞うべきかを常に考えられる人が納棺師に向いています。
強い精神力を持っている
寄り添う力を持っていると同時に、強い精神力も必要です。常に人の死と向き合わなければならないからです。例えば、ご遺体を前にして感情がこみ上げてしまったり気分が悪くなったりしてしまっては、納棺の儀が台無しになりかねません。加えて、「人の死に向き合う」という経験を常に繰り返していかなければならないのです。
このような状況に立たされても、しっかりと自分の仕事をこなせる「強い精神力」が求められます。精神力は「責任感」「志」などと言い換えることもできるでしょう。
納棺師の仕事はきつい?やりがいは?
納棺師の仕事は「きつい」といわれることも少なくありません。その理由は、体力勝負になることも多いからです。
基本的にご遺体は硬直しています。体が固くなるため、すこし動かすだけでも大変です。また、ご生前のときと違い「動こう」という意思がないため、はじめのうちは1人を納棺するだけでもかなりの体力を消耗してしまうでしょう。場合によっては3〜4件の現場をはしごすることもあります。
一方で、やりがいは他の業種や分野よりも強く感じることができるでしょう。納棺師の仕事を全うすれば、ご遺族の方から感謝の言葉をかけられます。計り知れないプレッシャーから解放されたときに温かい言葉をかけられれば、「納棺師の仕事をやってよかった」と強く感じることができます。
基本的にご遺体は硬直しています。体が固くなるため、すこし動かすだけでも大変です。また、ご生前のときと違い「動こう」という意思がないため、はじめのうちは1人を納棺するだけでもかなりの体力を消耗してしまうでしょう。場合によっては3〜4件の現場をはしごすることもあります。
一方で、やりがいは他の業種や分野よりも強く感じることができるでしょう。納棺師の仕事を全うすれば、ご遺族の方から感謝の言葉をかけられます。計り知れないプレッシャーから解放されたときに温かい言葉をかけられれば、「納棺師の仕事をやってよかった」と強く感じることができます。
納棺師の仕事をはじめるには
納棺師の仕事に資格は必要ありません。納棺師になるには、葬祭会社か納棺・湯灌専門の会社に就職するのが大切です。
ただし、納棺師の仕事は会社によって条件が大きく異るという点に注意してください。しっかりと会社を見極めなければ、納棺師として十分に活躍できない可能性があるでしょう。
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ただし、納棺師の仕事は会社によって条件が大きく異るという点に注意してください。しっかりと会社を見極めなければ、納棺師として十分に活躍できない可能性があるでしょう。
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