エンバーマーの資格とは?養成校や受験資格、受験内容について解説
エンバーマーの資格とは?養成校や受験資格、受験内容について解説
エンバーマー
公開日:2024.05.07
エンバーマーを目指すには資格の取得が必須です。資格を取得するためには、IFSAが認定する学校に入学しなければなりません。その学校を卒業することで、エンバーマー試験の受験資格が与えられます。

本記事では「エンバーマーとは何か?」を説明し、仕事の概要や内容、将来性、エンバーマーの資格について解説します。

エンバーマーとは?
まず「エンバーマーになりたい」という方に向けて、以下の3点をお伝えします。
・エンバーマーの概要
・エンバーマーの仕事内容
・エンバーマーの将来性
エンバーマーの概要
エンバーマーとは「エンバーミングをおこなう人」を意味します。エンバーミングとは日本語で「遺体衛生保全」と呼ばれ、ご遺体の修復や保全、長期保存するための施術を指します。

エンバーミングを施さなければ、ご遺体は次のようなトラブルに見舞われかねません。

●黄疸
●水泡の発生や異臭
●腹水

お姿が変わってしまい、ご遺族が納得してお別れできない可能性もあるでしょう。また、エンバーミングを施す前にご遺体に触れたり近づいたりすると、感染症の原因となるリスクもあります。

エンバーミングすることでご生前の姿に近づけられるため、ご遺族は安心して故人を送り出すことができます。
エンバーマーの仕事内容
エンバーマーの主な仕事内容は以下のとおりです。

●化学的・外科医学的防腐処置技術を施す
●故人の全身を消毒・洗浄する
●ご遺体に防腐剤を注入する
●傷や肌の修復をおこない、ご遺体を生前の姿に近づける
●衣服を着せて化粧などを施す

はじめにおこなうのが遺体の消毒・洗浄です。次に、長期保存するために皮膚を切開して防腐剤を注入します。具体的には血管や体腔を排出して、代わりに防腐剤を入れます。

最後に傷や肌の修復をおこない、衣服を着せて化粧などを施すと終了です。
エンバーマーの将来性
エンバーマーは非常に将来性の高い仕事です。実際に、エンバーミングの年間実施件数は年々増加しています。

  エンバーミングの年間実施件数
1988年 191件
1998年 8,665件
2008年 17,932件
2018年 48,466件
※厚労科研費報告書|分担研究報告書 エンバーミングの適正実施に関する要件についての研究

一般社団法人日本遺体衛生保全協会によると2021年の実施件数は59,440件で、数年以内には10万件を目指しています。

このように、エンバーマーは近年需要が高まっている仕事であるといえるでしょう。

エンバーマーになるには
エンバーマーになる方法は以下の2種類あります。
・日本で資格を取得する
・海外に留学して学ぶ
日本で資格を取得する
最も一般的なのは、日本で資格を取得するという方法です。日本にあるエンバーマーの資格は、2023年2月現在IFSA(日本遺体衛生保全協会)認定のものだけです。

具体的には、IFSAが認定するエンバーマーの養成施設に入学します。卒業後、IFSAのエンバーマー試験を受けて、日本のライセンスを取得します。
海外に留学して学ぶ
エンバーマーは海外から生まれた仕事です。特にアメリカはエンバーミング発祥の地とされています。

アメリカでエンバーマーになる場合、ABFSEの教育機関でエンバーミングを学びます。ABFSEはアメリカの葬儀サービス教育を認証する機関であり、準学士課程や学士課程でエンバーミングを専門に学ぶことができます。日本のIFSAに該当する組織がABFSEである、と考えてください。

エンバーマーの資格について
ここからは具体的にエンバーマーの資格について解説します。
・エンバーマー養成校
・エンバーマー養成校受験概要
・エンバーマー認定受験
エンバーマー養成校
2023年3月2日現在、IFSAに認定されているエンバーマー養成校は以下の1校だけです。

学校名 日本ヒューマンセレモニー専門学校
エンバーマーコース
住所 〒254-0811
神奈川県平塚市八重咲町7-30
電話番号 0463-27-2002
受講期間 2年(昼間)
募集人員 エンバーミング学科25名
入学資格 ①高校を卒業(もしくは卒業予定)の者
②外国において、学校教育における12年の課程を修了した者
③文学科学大臣が指定した者
④文学科学大臣が実施する高校卒業程度認定試験または大学入学資格検定に合格した者
学費 1年目納付金:1,155,000円
2年目納付金:1,005,000円

【別途費用】
1年次:32万円
2年次:10万円
奨学金・教育ローン 独立行政法人 日本学生支援機構(旧 日本育英会)
日本政策金融公庫
中央労働金庫
※参考:一般社団法人 日本遺体衛生保全協会|エンバーマー養成校ご案内
エンバーマー養成校受験概要
2023年3月2日現在、エンバーマー養成校である日本ヒューマンセレモニー専門学校エンバーマーコースの2023年度受験概要は公開されていません。

ここでは2022年度の情報を紹介します。

出願に必要な書類 ●入学願書(本校所定のもの)
●調査書(高校生のみ)、卒業証明書(高校生以外)
●身上書(本校所定のもの)
●写真一葉(願書に貼付のもの)
●入学検定料 30,000円
入学試験 一般常識
作文
面接
願書受付期間および時間 2022年10月1日〜2022年10月27日
(※2023年は未定)
入学願書受付先 〒254-0811
神奈川県平塚市八重咲町7-30
学校法人 鶴嶺学園
日本ヒューマンセレモニー専門学校 入学相談室
※参考:日本ヒューマンセレモニー専門学校|入学案内
エンバーマー認定受験
エンバーマー認定校を卒業すると、エンバーマー認定試験を受けられます。エンバーマーの資格を取得するためには、資格認定試験に合格しなければなりません。

試験は3月実施予定で、年に1回だけです。IFSA認定資格は日本国内にあるIFSA加盟企業のエンバーミングセンターで就職する場合のみ有効・必要です。

エンバーマーに向いている人の特徴
エンバーマーに向いている人の特徴を以下にまとめます。
・スキル面で見るエンバーマーに向いている人の特徴
・性格面で見るエンバーマーに向いている人の特徴
・体力面で見るエンバーマーに向いている人の特徴
スキル面で見るエンバーマーに向いている人の特徴
多少なりとも防腐や解剖学の知識、スキルを持っている人はエンバーマーに向いています。エンバーマーになりたい場合、独学でも構いませんので、あらかじめこのような分野の勉強をはじめておくことがおすすめです。

また、化粧・メイクの知識やスキルを持っている人もエンバーマーに向いているでしょう。エンバーマーはご遺体を修復するだけではありません。ご家族に美しい故人の姿を見せるというのも重要な仕事です。

性格面で見るエンバーマーに向いている人の特徴
最も重要なのは「ご遺族に寄り添うことができる共感能力」です。エンバーマーは単にご遺体を修復する、という仕事ではありません。ご遺族に寄り添い、悲しみを理解する姿勢が求められます。

同時に、亡くなった方と向き合わなければならないため、冷静さも大切です。ご遺体を前にして取り乱したり、エンバーミング時に気持ち悪くなったりする場合、エンバーマーには向いていない可能性があるでしょう。
体力面で見るエンバーマーに向いている人の特徴
体力がある人もエンバーマーに向いています。エンバーミングは長時間の立ち仕事が当たり前で、力仕事もあります。ご遺体は非常に重いため、常に集中していなければ事故につながる可能性もあるでしょう。

また、チームワークも大切です。葬儀の仕事は一人でおこなうものではありません。葬祭ディレクターや納棺師、受付などさまざまな仲間とともに連携しながら業務を遂行します。

これらの特徴に当てはまる場合、ぜひエンバーマーを目指してみてください。「向いていないかもしれない。でも、葬儀業界に就職したい」という方は、まず求人情報をチェックしてみることをおすすめします。

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資格 を取ってエンバーマーを目指そう
エンバーマーは社会的意義が高い仕事であるとともに、非常に将来性があります。ただ、エンバーマーを目指すには資格の取得が必要であり、けっして簡単な道ではありません。

葬儀業界に興味がある場合、まずは葬儀業界に転職してみることをおすすめします。エンバーマーの資格は最短2年で取得できるため、いったん葬儀業界で働き、現場の仕事から「自分に向いているかどうか」を判断するのも悪くないでしょう。

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